自動車の点検&整備
車検と点検整備の違いを知ろう!
自動車検査証の裏面をご覧になったことがありますか?
次のようなことが記載されています。
自動車の検査は、安全・環境の面について国が定める基準に適合しているかどうかを一定期間ごとに確認するものであり、次の検査までの安全性等を確保するものではありません。
したがって使用者は、日常点検整備や定期点検整備を確実に実施するとともに、使用状況に応じて適切に保守管理を行う必要があります。
国が行う継続検査に合格すると、次の継続検査まで安全等を保障されたものと思われるかも知れません。
しかし継続検査に合格しても、使用者は、自分の責任において日常点検整備や定期点検整備を確実に行い、安全の確保に努めるよう求められています。
自動車が機械である限り、摩耗劣化による性能の低下を避けることはできません。
故障や事故の原因を未然に防止するために点検整備を実施しましょう。
定期点検整備では、どういうところを点検・整備するのか
自家用乗用車の定期点検整備には1年点検と2年点検があり、車の安全維持と公害防止のために行うという、大変重要なものです。
2年点検の代表的な点検項目は次のとおりですが、整備事業場では、プロとしての知識と技術を生かしてきびしくチェックし、必要に応じて整備を行います。
代表的な点検項目
- ハンドルの操作具合
- ロッド、アーム類の緩み、がた、損傷の点検
- ブレーキのきき具合の点検
- ブレーキ・パッドの摩耗の点検
- ブレーキ・ディスクの摩耗、損傷の点検
- ディスク・キャリパの液漏れ、機能、摩耗、損傷の点検
- ブレーキ・ライニングの摩耗の点検
- ブレーキ・ドラムの摩耗、損傷の点検
- ホイール・シリンダの液漏れ、機能、摩耗、損傷の点検
- ホイール・ベアリングのがたの点検
- サスペンション取付部、連結部の緩み、がた、損傷の点検
- ショック・アブソーバの損傷、オイルの漏れの点検
- ドライブ・シャフトの連結部の緩みの点検
- 点火プラグの状態・点火時期の点検
- ファン・ベルトの緩み、損傷の点検
- エア・クリーナ・エレメントの汚れ、詰まりの点検
- 排気ガス・テスターを使ってのCO、HCなどの点検
- 公害発散防止装置等の点検
整備事業場とユーザー車検 (代行業者を含む) との違い
ユーザー車検とは、自動車ユーザー自から車を国の検査場へ持ち込んで車検 (継続検査)を受けることを言います。
ユーザー車検代行とは車検代行業者が車の使用者に代わって車を国の検査場へ持ち込んで車検を受けることを言います。
これらの場合は、車検の際に点検及び整備を実施しないケースがほとんどです。
最近の車がいくら故障しなくなったとはいえ、点検・整備をしないと不具合が発生する確率は高くなります。
実際に、社団法人日本自動車整備振興会連合会が調査した結果では、平成9年~12年に、ユーザー車検合格後に何らかのトラブルが発生して、整備事業場に入庫した車を調査すると、1ヶ月以内に入庫したケースは30%で、その半数近くがブレーキ関係の不具合となっております。
また、その整備費用は2~4万円が約30%、10万円以上というケースも約5%ありました。
これらに対して国から認証を受けた整備事業場は、一般にユーザーの皆さんから車検の依頼を受けた場合は、車の状態を点検し、点検の結果、必要となった整備を実施し、安全面、公害防止面を十分に確認したうえで車検を受けますので、結果的には費用も安くなる上、整備保証もしておりますので、より安心して車を使用できます。
ユーザーにクルマの「保守管理責任」があるという観点からも、車検時には検査だけでなく、きちんと定期点検整備を実施することが望ましいのは当然のことといえます。
車検を受ける際の費用の内訳
車検の費用には、車の点検・整備に必要な技術料金と部品代などの点検・整備料金の他に、自動車重量税、自賠責保険料、検査手数料などの税金等の諸費用がかかります。
点検技術料金 | 定期点検で義務付けられている項目の点検を行う技術料金 |
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整備技術料金 | 点検の結果、整備が必要な箇所の整備を行う技術料金 お客さまのご用命により行う整備の技術料金 |
部品・油脂代金 | 部品・油脂代金
使用部品、エンジン・オイル等の代金 |
保安確認(検査)料金 | 検査機器等を使用して基準に適合しているかどうかの確認を行う技術料金 |
その他 | 点検のためのエンジン、下廻リ等の洗浄料金等 |
自動車重量税 | 車検時に国に納める税金 |
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自賠責保険料 | 自動車使用者が必ず入らなければならない法律で定められている強制保険の保険料 |
検査手数料 | 検査を受け、自動車検査証の交付を受けるための国に納める手数料 |
このほか、検査代行手数料や消費税が必要です。